ベトナムで空間把握能力を鍛える話

2泊4日でベトナムのハノイに行ってきた。

  1. 空港から市街まで4時間かかる
  2. 道路を渡るのに野生の勘を働かせる必要がある
  3. 食べ物は口に合うし安い

 

空港に着いたのが現地時刻14時ごろ。

旧正月(テトと言う)直前の時期であったためか、入国審査に長蛇の列が形成されていた。

列は整然としたものではなく、一つの大きな塊のよう。

隙を見て前に進まないとなかなか進まない。40分ほどしてようやく入国完了。

トイレへ行ってから荷物受け取りへ進む。

かなり時間が経っているはずだが、コンベアには荷物がまばらにあるだけ。

荷物の源泉とコンベアのところで荷物が衝突し詰まり、コンベアが止まることが何度かありながら、40分くらいしてようやく出てきた荷物をピックアップ。

エントランスに出ると出迎えの人の山。

旅行会社の現地スタッフとの待ち合わせ場所へ行くも、人が多すぎて探せない。

3周ほど同じところをグルグルしてようやく落ち合う。

同行予定の他の日本人旅行者が何人かまだ中にいるらしく、しばらく待ってくれとのこと。

さらに待つこと40分、まだかかりそうなので彼らは別便で、とりあえず集まっている人たちだけ連れて行くことになったらしい。

この時点で到着から2時間。

市街に向かい、それぞれのホテルまで送って行ってもらう。

郊外までは高速道路でスイスイ進むが、市街に近づくにつれ強烈な渋滞が発生する。

渋滞というより、大量の車とバイクが芋洗状態にカオスっている。

一応は信号があるのだが、進めると思ったら進むのが現地流らしい。

私は、スリランカでも同様の光景を目にし、我先に運転と名付けたのだが、こちらの方が凄い。

結局ホテル到着まで2時間。

昼過ぎから観光を楽しむはずが、もう晩御飯の時間になっていた。

テトの時期に行く場合は、空港から市街まで数時間かかると思っていた方が良い。

 

私は、散歩が趣味だ。

観光先でも結構長い距離歩いたりする。

付き合ってくれる妻には感謝しかないが、へたに観光スポットに行くより人々の生活が見えるその辺の散歩の方が好きだったりする。

今回も旧市街と呼ばれるハノイ一番の繁華街を歩いたのだが、結構疲れる。

体力というよりも精神の面で疲れたのだ。

まず、歩道は歩くための道ではなく駐輪場である。

こちらの移動手段はバイクが主流のようで、車の間を大量のバイクがすり抜けていく。

石を詰めた管の中に泥水を流すくらいの勢いでバイクが流れていく。

で、どこに止めるかというとその辺の歩道である。

ちなみに車も歩道のど真ん中にとめてある。

なので、歩道の隙間と車道の端っこをコソコソと歩かないといけない。

あと、クラクションは挨拶がわりに鳴らされるので、日本の道路の静かさに慣れていると本当に精神がゴリゴリ削られる。

道を渡るときも、取り敢えず人が渡ろうとしているからって止まってくれたりはしない。

お互いにぶつからないようにルートどりをするしかない。

車やバイクの予測される進路と自分の相対距離、相対速度から安全を確認しながら渡る。

最初のうちはビクビクしながら渡るしかなかったが、現地の人が渡ろうとしているのに合わせて渡るうちに勝手がわかってくる。

取り敢えず、赤でも渡れそうなら渡る。結局青になったところで渡れる保証がないのだ。

 

1日目はほぼ移動で潰れたが、2日目3日目は丸々楽しむことができた。

主にベトナムの料理の食べ歩きをしたのだが、めちゃくちゃ口に合う。

日本ではパクチー山盛り!みたいなイメージがあるが、現地では香りづけ程度にしか使っていない。

フォーやブン料理といった定番どころに連れて行ってもらったが、特に美味しかったのはブンタンという料理だ。

鶏、しいたけを使ったスープに、ブンと割いた鶏肉、錦糸卵、パクチーなどの香草を入れた麺料理なのだが、奄美の鶏飯にとても似ている。

どこかでルーツは繋がるのではないかと思うほどに似ていた。

その他の料理も、日本人の口にとても合うと思った。

さらに言うとめちゃ安い。日本の外食費の半分くらいで食べれる。

 

騒々しくて疲れると思ったところもあったが、総じて活気があり元気をもらえるところかなと思った。

日本の人々は疲れている顔をしている人が多いが、ハノイの人の目にはしっかりと光が灯っているように見えた。

今より良くなる未来を真正面に見据えているような目だった。